分類
各国のBIMガイド
名称
African BIM Report 2024
作成者
BIM Africa(Building Information Modelling Africa Initiative)
リンク先
https://bimafrica.org/reports/
内容
African BIM Report 2024は、アフリカにおけるBIM導入の進展と課題を示すレポートです。エジプト、エチオピア、モロッコ、南アフリカなどではBIMの標準化や政策整備が進み、建設分野のデジタルトランスフォーメーションが推進されています。
BIM Africaは、国際的な連携や知識共有を通じてBIM普及を促進しており、様々な取り組みを通して、持続可能でデジタル化された建設環境の実現を目指しています。

このレポートは、最初にプロジェクトでのBIM実施事例が紹介され、次に様々な専門家のビジョン、そしてアフリカでのBIM導入に関する調査結果が示されています。
いくつかのプロジェクトでのBIM実施事例は、日本での取り組みと比べても遜色のないレベルで、アフリカ地域でのBIMが急速に発展していることを示しています。
専門家のビジョンの中で、アフリカにおいてもBIM導入における国際標準の重要性が示されています。ISO 19650などの標準は、プロジェクトの品質や一貫性を確保する基盤として認識されつつあります。チュニジアや南アフリカの企業ではISO 19650やISO 9001を組織のマネジメントシステムに組み込み、業務の標準化や品質管理を進めています。また、ナイジェリアなどでは国際標準を採用することで地域の基準不足を補い、国際プロジェクトへの対応力を高める取り組みが進められています。
解説
日本でも、海外のBIMの動向に関心を持つ方も多くおられますが、アフリカでのBIMの取り組みについては、まだあまり知られていません。確かに、アフリカでのBIMの取り組みは新しい取り組みだと考えられますが、このレポートを見ると、確実に進展していることがよくわかります。
前回のAfrican BIM Report 2022が、BIMの認知度や導入初期段階の実態、阻害要因の整理に重点を置かれていましたが、2024年版では、BIMをどのように社会や産業の仕組みに組み込み、価値を生み出していくかという視点がより明確に示されているようになってきています。
2024年版では、BIMを単なる3次元モデリング技術としてではなく、持続可能な都市づくりや資源管理を支えるデジタル基盤として捉える傾向が強まっています。
これは、アフリカでも、BIMが情報マネジメントへと進みつつあることがうかがえます。その中で、ISO 19650などの国際的な情報マネジメント規格についても触れられていますが、国際動向を参照しつつ、各国・各地域の状況に応じて導入を検討していくというアプローチとして、方向性や考え方が紹介されています。
一方で、BIM普及の課題として、人材育成、教育制度、政策や発注者の関与といった実装面の課題が依然として大きい点は、2022年版から一貫して指摘されています。その意味で本レポートは、アフリカにおけるBIMの議論が、「導入するかどうか」から「どのように社会実装していくか」へと移行しつつある状況を示す資料と位置付けることができます。
掲載日
2026年4月1日
担当者
伊藤久晴