分類
各国のBIMガイド
名称
HƯỚNG DẪN CHUNG ÁP DỤNG MÔ HÌNH THÔNG TIN CÔNG TRÌNH (BIM) : 2021
リンク先
https://bim.gov.vn/tai-lieu/huong-dan-chung-ap-dung-mo-hinh-thong-tin-cong-trinh-bim#
内容
ベトナム建設省による「HƯỚNG DẪN CHUNG ÁP DỤNG MÔ HÌNH THÔNG TIN CÔNG TRÌNH (BIM)(2021)」は、ベトナム国内における BIM 適用の基本的な考え方や導入方法を整理した国家レベルの BIM ガイドラインです。

内容としては、BIMの定義、適用プロセス、関係者の役割、BIM実施体制、成果物、情報共有方法などを整理しており、設計・施工・維持管理までを対象としたBIM活用の基本方針が示されています。
また、EIR(Exchange Information Requirements)、Pre-BEP、BEP、MIDP、TIDP、CDEなどの概念も導入されており、情報交換や情報管理を意識した構成となっています。特に、発注者側が EIR を通じてBIMの目的や要求事項を定義し、それに対して受託者側がBEPを作成するという考え方は、ISO19650の影響を強く受けていると考えられます。
さらに、CDE(共通データ環境)についても、WIP、SHARE、バージョン管理、情報共有などが説明されており、単なるファイル共有ではなく、情報の状態管理を意識した内容となっています。
一方で、LOD、Clash Detection、3D Coordination、4D、5Dなど、従来のBIM Execution Planningに近い内容も強く含まれており、参考文献として BIMForum の LOD Specification や Penn State の BIM Project Execution Planning Guide が引用されている点も特徴的です。
解説
このガイドラインの特徴は、従来のBIMモデル活用を中心とした実務的な内容を残しながらも、ISO19650に近い情報管理の考え方を積極的に取り入れようとしている点にあります。
特に、CDEにおける ステータス(WIP・共有・公開・アーカイブ) の考え方、命名規則、メタデータ(ステータスやレビジョンコード)の管理などは、ISO19650の影響を強く受け、英国の IMI フレームワークの解説を参考にして作成されています。ISO19650で用いられる「情報コンテナ」という用語自体は使われていませんが、実質的には、情報マネジメントにおいて管理対象となる情報コンテナの概念を取り入れている点は非常に興味深い部分です。

共通データ環境においては、このような情報コンテナをどのように管理するのかということが、最も重要な部分ですが、日本を含め多くの国では、ステータス(WIP・共有・公開・アーカイブ) の考え方が採用されている程度で、命名規則やメタコードまで、言及されていません。
一方で、ISO19650-2の情報マネジメントプロセスは、8つのプロセスですが、このベトナムのガイドラインでは下図のように6つのプロセスにまとめ、説明を加えています。

このように、ISO19650をベースにしながらも、ベトナムでの普及・展開のために、独自の解釈を加えることもある。これは、国内のガイドラインをいきなり完全にISO19650に準拠することは難しいため、段階的に移行してゆこうという取り組みであると考えられます。つまり、このガイドラインも、従来のBIM活用を基盤としながら、徐々にISO19650型の情報マネジメントへ移行しようとしている過程を示していると考えられます。
掲載日
2026年6月1日
担当者
伊藤久晴