参照情報

Reference Information

建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)

分類

日本の取り組み

名称

建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)

作成者

建築BIM推進会議(国土交通省)

リンク先

本文:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/002012930.pdf
別添資料:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/content/002012931.pdf

内容

2026年7月23日に、「建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)」が公開されました。これは、第2版以降の建築BIMに関する検討成果や、BIM図面審査、データ連携、維持管理・運用段階のデジタル化などの動向を踏まえて改定されたものです。

第2版で示されたS0「企画」からS7「維持管理・運用」までの業務ステージと6つの標準ワークフローを継承しながら、各段階で必要となる情報、設計から施工への受渡し、維持管理・運用情報の入力・更新、発注者の役割などが具体化されています。なお、このパターン別ワークフローは別添資料として整理されました。

また、EIR(発注者情報要件)とBEP(BIM実行計画)の共通項目、CDE(共通データ環境)における「作業中」「共有」「公開・発行」「アーカイブ」といったステータス管理、情報の詳細度(必要情報詳細度も言及しています)、成果品として扱うBIMデータなど、標準ワークフローを運用するための事項が拡充されています。

さらに、BIMデータの二次利用や加工などに関する権利、業務やモデル作成に関する責任区分、BIMマネージャー、BIMコーディネーター、BIMモデラーの職能と役割についても、新たに整理されています。

建築分野におけるBIMの標準ワークフローとその活用方策に関するガイドライン(第3版)

解説

第3版は、標準ワークフローをベースに、第2版で示されたワークフローを実際の業務で運用するための条件を具体化した改定と位置づけられます。特に、成果品、権利、責任区分、職能など、第2版で今後の検討課題とされていた事項を具体的に整理しています。

ガイドライン第3版の位置付け(イメージ)

情報マネジメントの観点では、BIMモデルをどのように作るかだけでなく、どの情報を必要とするか、誰が作成・確認するか、どの時点で共有・承認するか、どこまでを成果品とするかという視点を強めています。EIR/BEP、CDE、詳細度、責任分担、成果品を相互に関連づけて示したことで、BIM活用を個別のモデル作成から、関係者間で情報を管理する取り組みへと広げています。

ISO 19650との関係については、第2版では、「日本におけるBIM は国内の建築・建設業界の商習慣を元に活用されてきたため、今すぐ国際規格に沿った推進は出来ません」と記載されていましたが、第3版では、「ISO 19650 の考え方を踏まえつつ、日本国内の建築生産システムに即した用語を用いることで、国際標準と国内実務との整合を図ることを目指しました。」とされ、ISO 19650を参照した用語や図表など、情報マネジメントを意識した記述が加えられています。

ガイドラインに掲載されたISO 19650を参照した図表

また、第3版の標準ワークフローは、建築プロジェクトの業務ステージとBIM活用を軸としたものであり、ISO 19650-2の5.1~5.8に示される一連の情報マネジメントプロセスは、標準ワークフローとしては組み込まれていません。今回整理されたEIR/BEP、CDE、責任分担などを基礎として、今後、発注から情報の作成、確認、引渡しまでの情報マネジメントプロセスがさらに具体化されることが期待されます。

この第3版は、日本のBIM活用を、3次元モデルを中心とした取り組みから、情報マネジメント(情報の要求、作成、共有、確認、引渡しを関係者間で管理する取り組み)へと発展させるための、重要な一歩と評価できます。

掲載日

2026年8月5日

担当者

伊藤久晴