名称
Organization and digitization of information about buildings and civil engineering works, including building information modelling (BIM)
– Information management using building information modelling -
Part 1: Concepts and principles
ビルディング情報モデリング(BIM)を含む建築及び土木工事に関する情報の統合及びデジタル化
-ビルディング情報モデリングを使用する情報マネジメント-
第1部:概念及び原則
リンク先
https://www.iso.org/standard/68078.html
内容
ISO 19650-1は、建築資産のライフサイクル全体における情報マネジメントの基本概念と原則を示した規格です。BIMを活用し、資産所有者、発注者、設計者、施工者、運用者などの関係者が協働して情報を作成・共有するための情報マネジメントのプロセスを示しています。これにより、情報の再利用や共有を促進し、リスクの低減やコスト削減などの成果を生み出すことが期待されています。
また、本規格はあらゆる規模や複雑さの建築資産やプロジェクトに適用でき、各国の制度やプロジェクトの条件に応じて適切に適用することが求められています。

ISO 19650-1では、建築資産のライフサイクル全体の意思決定を支える情報を、プロジェクト情報モデル(PIM)と資産情報モデル(AIM)として管理することが基本原則とされています。これらの情報モデルには、三次元モデルやデータベースなどの構造化情報だけでなく、図面や文書、動画などの非構造化情報も含まれます。プロジェクトの開始時や終了時にはPIMとAIMの間で必要な情報が移行され、資産管理やプロジェクト遂行に活用されます。また、これらの情報は発注者や受託者だけでなく、投資家や規制機関など多くの関係者にとって価値を持つ資源とされています。
また、この規格では、発注組織、元請受託組織、受託組織が協働して情報マネジメントを実施することを基本としています。この情報マネジメントの発展を成熟度段階として示しており、標準化や技術の進展によってより大きな事業価値が生まれます。ISO 19650シリーズは主に成熟度の段階2に対応しており、この段階では手作業と自動化を組み合わせた情報管理により、複数のタスクチームが作成した情報コンテナを統合した複合モデルが構築・運用されます。
解説
ISO 19650-1で説明されている概念及び原則では、情報要求事項・情報デリバリーのサイクル・共通データ環境など、ISO 19650の中心的な概念が説明されています。
情報要求事項は、施設や建物の情報マネジメントの起点となるものであり、事前に整理しておく必要があります。ISO 19650では、組織の情報要求事項(OIR)、資産情報要求事項(AIR)、プロジェクト情報要求事項(PIR)として整理され、それを達成するための情報交換の方法と共に、情報交換要求事項(EIR)として、入札要件に示されます。これらの要求事項が明確であるほど、情報マネジメントは無駄なく効率的に実施できます。
情報デリバリーのサイクルでは、意思決定ポイントごとに繰り返される、情報の作成・レビュー・承認・共有といったプロセスについて説明されています。これらの仕組みを理解することで、情報マネジメントの基本的な流れを理解することができます。
共通データ環境(CDE)は、情報マネジメントの管理対象となる情報コンテナを管理するための仕組みを示しています。具体的には、命名規則とメタデータ(ステータスコードなど)を用いて、情報コンテナの履歴や状態を明確に管理するものです。
日本ではCDEを便利なクラウドサーバーのように理解されることがありますが、ISO 19650のCDEは、情報コンテナを管理するためのルールとプロセスを含む仕組みのことです。
掲載日
2026年4月1日
担当者
伊藤久晴