IM用語の解説

Information Management Glossary

ビルディング情報モデリング(BIM)

英語名 / 略字

Building Information Modelling / BIM

出典

ISO19650-1:2018 3.3.14

規格での説明(原文)

Use of a shared digital representation of a built asset  to facilitate design、 construction and operation processes to form a reliable basis for decisions
Note 1 to entry: Built assets include、 but are not limited to、 buildings、 bridges、 roads、 process plants.

規格での説明(日本語)

意思決定のための信頼できる基礎を形成する設計、建設及び運用プロセスを容易にするための建設資産の共有デジタル表現の使用
注:建設資産には、建築物、橋、道路、プロセスプラントが含まれるが、これらに限定されない。

説明

BIM(Building Information Modelling)とは、建物やインフラといった建設資産について、関係者が共通のルールのもとで共有できるデジタル情報を使い、設計・施工・運用の各段階で、意思決定と業務を円滑に進めるための方法のことです。

下記にBIMの定義に使われている言葉の意味を示します。

意思決定のための信頼できる基礎:
意思決定とは、主な意思決定ポイントにおいて、発注組織が情報要求事項に照らして元請受託組織の作成した成果物を評価・受領することであり、次の意思決定への活動を承認する意味も含みます。
意思決定の信頼できる基礎というのは、この意思決定を、確実に行うために、計画段階において、意思決定に関わる役割と責任(誰が要求し、誰が成果物を作り。誰が評価するか)および、いつどのように意思決定を行うかを明確に決め、その計画通に基づいて実施することです。

建設及び運用プロセスを容易にする:
建設及び運用プロセスとは、設計・施工および運用の建物のライフサイクルの中で、段階的に意思決定を行いながら活動を進めてゆく一連の業務プロセスのことです。建設及び運用プロセスを容易にするとは、その業務プロセスが円滑に進められるようにすることです。

建設資産:
資産とは、組織にとって、潜在的に又は実際に価値をもつ対象で、建設資産とは、資産のうち、建物や土木インフラなど、人の活動を支えるために建設されたものに関する資産のことです。

共有デジタル表現の使用:
共有デジタル表現とは、複数の関係者が共有のルールの元で参照・利用できる建設資産に関するデジタルな情報表現のことです。例えば共通データ環境に登録されたBIMモデルや図面を複数の関係者が生産・閲覧・レビュー・承認できる状態にある情報のことであり、共有デジタル表現の利用とは、それらの情報を基に、意思決定や業務の実行に行うことです。

解説

日本では、BIMとは、「BIMソフトウェアを使って作成される、属性情報を持った3次元のデジタルモデル、およびそのモデルを設計施工に役立てること」と定義される場合が多く見られます。しかし、これは、BIMソフトウェアで作成したBIMモデルの作成や活用に焦点を当てた技術的な観点からの定義です。

一方、ISO19650におけるBuilding Information Modellingとは、資産のライフサイクル全体にわたり共有されたデジタル表現を使用して、設計・施工・運用プロセスを円滑に進め、意思決定のための信頼できる基礎を形成するための方法を指します。
この「共有デジタル表現」は、BIMモデルのみに限定されるものではなく、図面・計算書・仕様書などを含む情報全体を対象とします。これらの情報は、共通データ環境などを通じて共有され、関係者の判断や業務遂行を支える基盤となります。
ISO19650は、このBuilding Information Modellingを使用した情報マネジメントを規定する国際規格です。

下図は、設計施工・運用のプロセスにおける意思決定を含む情報交換を示しています。ここで示される各段階において、共有されるデジタル表現を使用することがBuilding Information Modellingです。ISO 19650は、建設業界の情報を統合およびデジタル化するために、このBuilding Information Modellingを使用して情報マネジメントを行うための規格です。

英国では、BIMという言葉がBIMモデルやBIMソフトウェアのイメージを与えやすく、その結果、BIMの本来の目的が十分に理解されない可能性があるという認識があります。そのため近年では、「BIM」という用語よりも「IM:Information Management(情報マネジメント)」という概念を前面に出していこうとする動きがあります。これは、Building Information Modellingを「共有されたデジタル情報の表現を使用する方法」として位置付け、設計・施工のプロセスにおいて生み出される情報をマネジメントすることで、建設プロジェクトにおいてより大きな価値や成果を生み出そうとする取り組みです。

掲載日

2026年4月1日

担当者

伊藤久晴