IM用語の解説

Information Management Glossary

運用フェーズ

英語名

Operational Phase

出典

ISO19650-1:2018 3.2.12

規格での説明 (原文)

Part of the life cycle, during which an asset is used, operated and maintained

規格での説明 (日本語版)

その間に資産が使用、運用及び保守される、 ライフサイクルの一部

説明

ISO 19650 における Operational phase(運用フェーズ)は、資産のライフサイクルのうち、当該資産が運用され、維持管理される期間を指します。すなわち、建物や施設が本来の目的に沿って稼働し、日常的な運営や保全活動が行われる段階のことです。このフェーズは、単なる資産の維持管理期間を意味するものではなく、資産の性能・価値・機能を維持または向上させるための一連の活動を含みます。そこには、資産管理、施設運用、保守点検、修繕、更新、改修、機能改善などの活動が含まれます。

情報マネジメントの観点においては、運用フェーズは、運営上必要となる情報を適切に維持・更新し、運用目的に応じて活用する期間として位置付けられます。デリバリーフェーズで整備された情報は、この段階で資産情報モデル(AIM)として活用され、継続的に更新されます。

運用フェーズは、ISO 19650-3 の適用対象であり、資産運用に必要な情報要求の定義、既存情報の評価、情報の更新・管理、運用目的に応じた情報交換などのプロセスが体系的に実施されます。

解説

運用フェーズは、資産が引き渡された後に開始される段階であり、資産を実際に運用しながら維持・管理していく期間を指します。

運用フェーズにおいては、多くの作業が同時並行的に行われています。そのため、運用フェーズにおけるすべての活動を対象とするのではなく、どの活動を管理対象とするのかを定め、その活動に対して情報マネジメントを行う必要があります。

運用フェーズにおける資産に関する情報は、AIM(Asset Information Model)に集約されます。AIMは、資産に関する信頼できる情報基盤として、さまざまな企業システムや運用業務において参照される情報源となります。

日本では「維持管理BIM」という言葉があり、BIMモデルを維持管理に活用するというイメージが強くあります。しかし、ISO 19650における運用フェーズは、竣工後の施設の運用や維持管理に関わる情報全体を対象とした情報マネジメントの取り組みです。したがって、BIMソフトウェアによるBIMモデルの活用を前提とするものではなく、実際の運用においては多くの場合、BIM モデルを使用しません。

設計施工段階で作成されたBIMモデルの活用として有効なのは、資産管理システムや維持管理システムの初期設定のために、設計施工段階の情報を運用段階へ適切に引き渡すことです。そのためには、運用段階で必要となる情報をあらかじめ定義し、それを入札時の情報交換要求事項(EIR)として提示し、竣工時の引渡し情報として確実に受領するプロセスを構築する必要があります。

掲載日

2026年4月1日

担当者

伊藤久晴