英語名 / 略字
Project Information Model / PIM
出典
ISO19650-1:2018 3.3.10
規格での説明(原文)
information model relating to the delivery phase
Note 1 to entry: During the project, the project information model can be used to convey the design intent (sometimes called the design intent model) or the virtual representation of the asset to be constructed (sometimes called the virtual construction model).
規格での説明(日本語)
デリバリーフェーズに関連する情報モデル
注 : プロジェクト中に、プロジェクト情報モデルを使用して、設計意図(設計意図モデルと呼ばれることもある)又は建設される資産の仮想表現(仮想建設モデルと呼ばれることもある)を伝達することができる。
説明
プロジェクト情報モデル(PIM)は、設計・施工などのデリバリーフェーズにおいて形成・更新される、プロジェクトに関する情報コンテナの集合体です。PIMを構成する情報コンテナには、BIMモデルだけでなく、設計図書、仕様書、計算書、報告書、表形式データなども含まれます。
これらの情報コンテナは、発注組織の情報交換要求事項(EIR)などに基づき、共通データ環境(CDE)のワークフローの中で作成、共有、レビュー、承認されながら、プロジェクトの進行に応じて段階的に形成・発展していきます。
各意思決定ポイントまたは情報マイルストーンでは、要求された情報コンテナが情報モデルとして取りまとめられ、元請受託組織による認可と発注組織による受領を経て、CDE上で公開(Published)ステータスとなります。この公開された情報コンテナの集合は、その時点において正式に納入・受領されたPIMと捉えることができます。

解説
ISO 19650-2の情報マネジメントプロセスでは、発注組織に納入する成果物となる情報コンテナについて、各タスクチームがタスク情報デリバリー計画(TIDP)として計画します。これらは元請受託組織によって調整・統合され、マスター情報デリバリー計画(MIDP)として取りまとめられます。その後、情報コンテナは共通データ環境(CDE)のワークフローの中で生産、共有、レビュー、認可され、各情報マイルストーンにおいて発注組織へ納入されます。このように、MIDPに基づいて計画された情報コンテナがCDE上で段階的に生産され、必要な確認・認可・受領を経ながら、PIMとして形成されていきます。
設計・施工では、基本設計、実施設計、施工、引渡しなど、プロジェクトの進行に応じて複数の意思決定ポイントや情報マイルストーンが設定されます。それぞれの時点で要求される情報コンテナが取りまとめられ、正式に納入・受領されることで、その時点における確定したPIMが形成されます。したがって、ISO 19650-2における情報マネジメントは、計画策定段階で作成するMIDPと、情報の協働生産を管理するCDEのワークフローを一連のプロセスとして捉えることが重要です。そのプロセスを通じて段階的に形成され、各情報マイルストーンで正式に納入・受領される情報モデルがPIMです。
なお、PIMはCDE上の公開(Published)情報だけを意味するものではなく、設計・施工段階を通じて形成・更新される情報モデル全体を指します。一方、各情報マイルストーンで正式に認可・受領されたPIMは、CDE上では公開(Published)ステータスとなった情報コンテナによって構成されます。
竣工・引渡し時には、PIMに含まれる情報コンテナのうち、資産の運用・維持管理に必要となる情報が資産情報モデル(AIM)へ引き継がれます。そのため、PIMには、発注組織の資産情報要求事項(AIR)などに基づき、運用段階で必要となる情報が適切に含まれている必要があります。
また、運用段階で増改築や大規模改修など、新たなデリバリーフェーズが発生する場合には、既存のAIMに含まれる情報が新たなPIMを形成するための基礎情報として利用されます。そして、そのプロジェクトの完了後には、更新された情報が再びAIMへ引き継がれます。

このように、PIMとAIMは単純な一方向の受渡しではなく、資産のライフサイクルを通じて相互に情報を引き継ぎながら更新されていく関係にあります。
掲載日
2026年10月7日
担当者
伊藤久晴