英語名 / 略字
Asset Information Model / AIM
出典
ISO19650-1:2018 3.3.9
規格での説明(原文)
information model relating to the operational phase
規格での説明(日本語)
運用フェーズに関連する情報モデル
説明
資産情報モデル(AIM)は、運用段階において、資産を管理・運用するために使用される情報コンテナの集合体です。設計・施工段階のプロジェクト情報モデル(PIM)がプロジェクトの進行に伴って形成されるのに対し、AIMは竣工・引渡し後から資産の使用が終了するまで、継続して維持・更新されます。
AIMは、設備管理、保全管理、エネルギー管理、資産台帳など、運用段階で利用される様々な企業システムに必要な情報を提供する共通の情報源として位置付けることができます。したがって、既存の企業システムでどのような情報が使われているかを整理し、それらの企業システムで共通して利用する必要のある情報を、AIMから参照・利用できるようにすることが重要です。
AIMは必ずしもBIMモデルを中心に構成する必要はありません。BIMモデルは有効な情報コンテナの一つですが、長期にわたる運用を考えると、図面、文書、表形式データ、データベースなども含め、維持しやすく利用しやすい方法で情報を管理することが重要です。
また、竣工後の運用に必要となる初期情報は、資産情報要求事項(AIR)として設計・施工前に明確にしておく必要があります。これらの情報をPIMからAIMへ適切に引き継ぐことで、運用段階の企業システムを効率的に立ち上げることができます。

解説
ISO 19650-3では、まず情報を管理すべき資産を特定し、その資産に関係する企業システムとのリンクを明確にすることが求められています。附属書A.4では、AIMに含まれる可能性のある情報として、管理情報、技術情報、法的情報、商業情報、財務情報などが示されています。
これらの情報をすべて一律に管理するのではなく、組織情報要求事項(OIR)や資産情報要求事項(AIR)に基づいて、運用や意思決定に必要な情報を明確にすることが重要です。AIMは、多くの情報を蓄積すること自体を目的とするものではなく、必要な情報を必要なときに利用できる状態にしておくための情報モデルです。
また、設備の更新、修繕、用途変更、改修工事などによって実際の資産の状態が変われば、AIMもそれに合わせて更新する必要があります。そのため、誰が、どの情報を、どのタイミングで更新するのかを情報マネジメントのプロセスとして定めておく必要があります。
さらに、増改築や大規模改修など新たなプロジェクトが発生した場合には、既存のAIMが新たなPIMの基礎情報となり、プロジェクト完了後には更新された情報が再びAIMへ引き継がれます。このように、PIMとAIMは資産のライフサイクルを通じて相互に情報を引き継ぎながら更新されていきます。

掲載日
2026年10月7日
担当者
伊藤久晴