IM用語の解説

Information Management Glossary

発注組織

英語名

Appointing Party

出典

ISO19650-1:2018 3.2.4

規格での説明(原文)

receiver of information concerning works, goods or services from a lead appointed party
Note 1 to entry: In some countries the appointing party can be termed client 、 owner or employer but the appointing party is not limited to these functions.
Note 2 to entry: This term is used whether or not there is a formal appointment between the parties.

規格での説明(日本語)

作業、物品又はサービスに関する情報の元請受託組織からの受領者
注1:国によっては、発注組織をクライアント、 所有者又は雇用者と呼ぶことがあるが、発注組織はこれらの機能に限定されない
注2:この用語は、関係者間に正式な書面による受託があるか否かに関係なく使用される

説明

「発注組織」という言葉から、一般には発注行為を行う組織と捉えられがちですが、ISO 19650における意味合いは、それとは少し異なります。原文では、Appointing Partyとされており、これはAppointmentを行う主体(Party)、つまり、情報マネジメントにおいて、情報を要求し、その要求に基づいて作成された情報を受領する主体を指しています。

また、日本語版では、Partyを「組織」と訳していますが、組織という言葉から、企業や部門などの組織単位を想起しやすい点には注意が必要です。ISO 19650におけるPartyは、組織形態を示すものではなく、そのプロジェクトにおいて特定の役割と責任を担う主体を意味しており、単に発注を行う企業や組織に限定されるものではありません。 この定義に基づくと、Appointing Party(日本語版での「発注組織」)は、クライアント、所有者、雇用者といった立場に加え、運用段階において施設を運用する主体や、設計段階において、法的な情報を要求・審査・確認をする法的審査機関なども含まれます。

解説

ISO 19650におけるAppointing Party(発注組織)は、単に業務を発注する主体という意味ではなく、プロジェクトや資産に関する情報を要求し、その情報を受領する主体として定義されています。つまり、建設プロジェクトにおいて設計や施工などの業務を委託する主体であると同時に、情報マネジメントの観点では「どのような情報が必要であるか」を定義し、その情報が適切に作成・提供されているかを確認する役割を担う主体でもあります。

発注組織は、プロジェクト全体の情報マネジメントの枠組みを整備し、それが実践されるように管理する役割を担います。そのため、情報マネジメントに関する責任を持つ役割を明確にし、その役割を担う担当者によって計画と実践が行われることにより、発注組織が要求する情報成果物を受領することが可能となります。具体的には、情報マネジメントの枠組みの中で、情報要求事項の定義や管理、情報デリバリー(成果物の納品)の管理などを行う必要があります。

しかしながら、日本ではこのような役割を十分に担うことができる発注組織はまだ多くないのが現状です。そのため、発注組織から情報マネジメントに関する明確な要求が示されていない場合でも、元請受託組織を中心としたデリバリーチームが主体的に情報マネジメントに取り組むことが必要です。

掲載日

2026年4月1日

担当者

伊藤久晴