IM用語の解説

Information Management Glossary

受託組織

英語名

Appointed Party

出典

ISO19650-1:2018 3.2.3

規格での説明(原文)

provider of information concerning works、 goods or services
Note 1 to entry: A lead appointed party should be identified for each delivery team but this can be the same organization as one of the task teams.
Note 2 to entry: This term is used whether or not there is a formal written appointment in place.

規格での説明(日本語)

作業、物品又はサービスに関する情報の提供者
注1:元請受託組織は、各デリバリーチームに関して識別することが望ましいが、これはタスクチームの一つと同じ組織であり得る
注2:この用語は、正式な書面による受託があるか否かに閑係なく使用される

説明

ISO 19650における受託組織(Appointed party)は、発注組織(Appointing party)からのAppointmentに基づき、業務・物品・サービスに関する情報を作成し、提供する責任を負う主体を指します。ここでいう「主体(Party)」は、企業形態や法人格を示すものではなく、情報マネジメント上の役割と責任を担う存在を意味します。そのため、外部企業だけでなく、同一組織内の部署やチームであっても、情報提供責任を担えば受託組織に該当します。

発注組織から直接任命を受け、その要求事項に従って、その受託の範囲の情報生産の責任を負うのが、元請受託組織です。元請受託組織は、受託組織を含むデリバリーチーム全体を統括し、要求された情報を取りまとめて納品するためのマネジメントを行うことです。

受託組織は、元請受託組織から任命を受け、情報の生産を担う組織です。ISO 19650では、これらの用語は契約形態の有無に関わらず使用されます。したがって、受託組織および元請受託組織は、契約上の立場を示す用語というよりも、情報の生成・統合・提出に関する責任構造を示す概念です。

解説

受託組織という訳語からは、一般に契約上の受注者や請負業者といった関係が想起されやすいものの、ISO 19650における Appointed party は契約関係そのものを指す概念ではありません。本規格は、情報マネジメントを「誰が情報を要求し、誰がそれに応じて情報を提供するか」という責任関係として整理しており、受託組織は要求された情報を合意条件のもとで作成・提供する責任主体として位置付けられています。 さらに、元請受託組織(Lead appointed party)は、単に他の受託組織を束ねる契約上の元請という意味ではなく、情報の統合および提出に関する中心的責任を担う主体です。複数の受託組織が関与する場合、情報は個別に作成されるだけでなく、統合・整合・検証を経て提出される必要があります。この統合責任を明確化するために、元請受託組織という概念が設けられています。

この構造は、発注者と単一の受注者という二者関係を超え、プロジェクト全体における情報の流れと責任の階層構造を可視化するものです。発注組織は情報要求を定義し、元請受託組織がそれを統括し、各受託組織が専門情報を作成するという関係性の中で、情報マネジメントが体系化されています。

したがって、受託組織および元請受託組織は、契約上の立場を説明するための用語ではなく、情報マネジメント上の役割分担を明確化するための概念であり、情報の品質・整合性・提出時点での適合性を担保する責任構造を示すものとして理解することが重要です。

掲載日

2026年4月1日

担当者

伊藤久晴