IM用語の解説

Information Management Glossary

情報コンテナ

英語名

Information Container

出典

ISO19650-1:2018 3.3.12

規格での説明(原文)

named persistent set of information retrievable from within a file、 system or application storage hierarchy
EXAMPLE Including sub-directory、 information file (including model、 document、 table、 schedule)、 or distinct sub-set of an information file such as a chapter or section、 layer or symbol.
Note 1 to entry: Structured information containers include geometrical models、 schedules and databases.
Unstructured information containers include documentation、 video clips and sound recordings.
Note 2 to entry: Persistent information exists over a timescale long enough for it to have to be managed、i.e. this excludes transient information such as internet search results.
Note 3 to entry: Naming of an information container should be according to an agreed naming convention.

規格での説明(日本語)

ファイル、システム又はアプリケーションのストレージ階層内から取得可能な名前付きの保持された情報のセット
注1:構造化された情報コンテナには、形状モデル、スケジュール及びデータベースが含まれる。構造化されていない情報コンテナには、文書 ビデオクリップ及び録音が含まれる。
注2:持続的情報は、それを管理する必要がある十分に⾧い時間尺度にわたって存在する。すなわち、これには、インターネット検索結果などの一時的な情報は含まれない。
注3:情報コンテナの命名は、合意された命名規則に従うことが望ましい。

説明

ISO 19650における情報コンテナ(Information container)は、名称が付与され、永続的に管理される情報のまとまりを指します。これは単なるファイル形式を意味するものではなく、情報マネジメントの管理対象として識別可能な単位を示す概念です。

情報コンテナには、モデルファイル、図面、仕様書、計算書、スプレッドシートなど、さまざまな形式の情報が含まれます。重要なのは、それらが識別可能で、管理可能で、履歴追跡可能な単位として扱われる点にあります。 ISO 19650では、情報コンテナはCDEを通じてステータス(状態)管理(WIP、共有、公開、アーカイブ)およびレビジョン(履歴)管理のもとで運用され、命名規則やメタデータ(属性情報)に基づいて統制されます。したがって、情報コンテナは情報マネジメントにおける管理単位として位置付けられます。

解説

情報コンテナという用語は、日本ではあまり一般的ではありませんが、情報マネジメントにおいて情報を管理するための重要な概念です。ISO 19650におけるCDEの定義が「情報コンテナを収集、管理および配布するための、合意された情報源」であることからも、この情報コンテナの意味を正しく理解することが不可欠です。

情報コンテナは、情報生産に先立って策定されるマスター情報デリバリー計画(MIDP)において計画され、定義された単位として運用されます。MIDPは、納品すべき情報コンテナ、その責任主体、提出時期などを統合的に示す計画であり、情報要求(EIR)に基づく情報の提供を管理します。

この概念により、情報はツールやソフトウェアの種類を超えて統一的に管理されます。情報コンテナには命名規則やメタデータ(属性情報)が付与され、CDEを通じてステータス(WIP、共有、公開、アーカイブ)の遷移を管理しながら運用されます。これにより、どの情報が作業中であり、どの情報が承認済みであり、どの情報が履歴保存されたものであるかが明確になります。

また、情報コンテナは情報交換の対象単位でもあります。ISO 19650-4に示されるように、情報交換は断片的なデータではなく、情報コンテナ単位で検証・承認されることを前提としています。したがって、情報コンテナは情報マネジメントの実行単位であり、CDE運用を成立させる中核概念です。

このように、情報コンテナはBIMデータの種類を示す用語ではなく、情報を統制・追跡・検証可能な形で管理するための概念であり、ISO 19650における情報マネジメントの管理単位として理解することが重要です。

掲載日

2026年4月1日

担当者

伊藤久晴